「行政書士」と名乗っている人達はどういう人?
「行政書士」という言葉は一度くらい聞いたことがあるかもしれませんが、実際にどんなことをしている人なのか実はよくわかっていなかったり、他の士業と混同されている方もいるようです。
相談をするにしても、相手(行政書士)がどういう立場の人なのかというのは知っておきたいですよね。
そこで今回は「そもそも行政書士って何者よ?」という疑問にお答えしてみたいと思います。
行政書士とは
行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成、行政不服申立て手続代理等を行う者で、俗にいう「士業」の一つになります。
一口に「士業」といっても末尾に「士」が用いられている職業は多くありますが、職務上の請求権が認められている士業(弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、海事代理士)を「8士業」と呼んだりします。
「職務上の請求権」とは、戸籍類や住民票などの個人情報を依頼者に代わって請求することができる権利のことです。
行政書士になるには
行政書士となるには以下の3通りがありますが、実際に行政書士として登録し業務を行っているのは行政書士試験に合格した者がほとんどです。
1.行政書士試験を受験し、合格する
2.公務員として行政事務を一定年数経験する
3.弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のいずれかの資格を持っている
神奈川行政書士会登録数
登録者総数(令和4年2月1日現在) | 3,123名 | |
行政書士試験を受験し、合格する | 2,326名 | 74.48% |
公務員として行政事務を一定年数経験する | 327名 | 10.47 |
数経験する 327 10.47 | 470名 | 15.05% |
行政書士試験の内容と難易度
さて、それでは行政書士となるための試験とはどんなものかといいますと、年に1回の実施で、法令科目として「憲法、民法、行政法、会社法、基礎法学」の5分野に加え、教養問題として「一般知識」が問われ、300満点中の6割180点以上とれば合格となります。
6割の正解で合格と聞くと簡単そうに思うでしょうが、実際の合格率が10%前後ということで受験者の9割近くは取れていない点数なんですね。更に法律科目と一般知識それぞれに最低点が設定されているので、たとえ法律科目が満点で180点を超えていたとしても対策の取り難い一般知識が基準点以下ですと不合格となってしまい、俗に「足きり」と呼ばれ受験生を悩ませています。
あなたの街の法律家
行政書士の表現として「頼れる街の法律家」といったコピーが使われることがあります。
弁護士ほど敷居が高くなく、一般の庶民が日常生活での困りごとを気軽に相談できるのが行政書士です。