相続時に揃えるべき戸籍は?
戸籍を極める(5)
「戸籍を極める」の第5回目です。
前回、次回は「日本の戸籍制度の変遷」についての記事を予定している旨お伝えしましたが、よくよく調べてみるとこれがなかなか微妙な問題(政治的且つ信条的)も抱えていて、このブログで扱うにはちと荷が重いというか、「実務上の有益な情報をシェアする」という主旨からも外れる気がしたので、急遽内容を変更し、今回は実際に相続手続きが発生した際にどこまでの戸籍を取得しなければならないかといった具体的な事例をフローチャートの形で書いてみることにしました。
相続手続きで要求される戸籍の範囲
実際の相続手続きに際しては、以下のフローチャートに沿て、最下段の[A]~[G]別の戸籍が必要となります。
以下、それぞれの場面毎に必要となる戸籍の詳細です。
[A]子有、全員存命・一部死亡(代襲相続者無)
- 子供の現在までの戸籍
- 死亡した子供の出生から死亡までの戸籍
[B]子有、一部死亡(代襲相続者有)・全員死亡(代襲相続有)
- 子供の現在までの戸籍
- 死亡した子供の出生から死亡までの戸籍
- 代襲相続人の現在までの戸籍
[C]子無、親存命
- 親の現在(又は死亡)までの戸籍
- 死亡した子(代襲相続人)がある場合は、子(代襲像族人)の出生から死亡までの戸籍
[D]子無、親全員死亡、尊属有(誰かが存命)
- 尊属の現在(又は死亡)までの戸籍
- 親の死亡までの戸籍
- 死亡した子(代襲相続人)がある場合は、子(代襲像族人)の出生から死亡までの戸籍
[E]子無、親全員死亡、尊属全員死亡、兄弟姉妹無
- 親の出生から死亡までの戸籍
- 尊属の死亡が分かる戸籍
- 死亡した子(代襲相続人)がある場合は、子(代襲像族人)の出生から死亡までの戸籍
[F]子無、親全員死亡、尊属全員死亡、兄弟姉妹有(全員存命)・(死亡者有・代襲相続無)
- 親の出生から死亡までの戸籍
- 尊属の死亡が分かる戸籍
- 存命中の兄弟姉妹の現在までの戸籍
- 死亡した兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍
- 死亡した子(代襲相続人)がある場合は、子(代襲像族人)の出生から死亡までの戸籍
[G]子無、親全員死亡、尊属全員死亡、兄弟姉妹有・(死亡者有・代襲相続有)
- 親の出生から死亡までの戸籍
- 尊属の死亡が分かる戸籍
- 存命中の兄弟姉妹の現在までの戸籍
- 死亡した兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍
- 代襲相続人の現在までの戸籍
- 死亡した子(代襲相続人)がある場合は、子(代襲像族人)の出生から死亡までの戸籍
「相続実務に役立つ戸籍の読み方・調べ方(第二改訂版)/小林直人・伊藤崇・尾久陽子・渡邊竜行、著/ビジネス教育出版」を参照、一部引用させていただきました。
「戸籍を極める」Continue
一応Continueとしましたが、一旦今回の記事をもって一区切りとさせていただき、また折を見て続けたいと思います。