エンディングノート 何を書く?

市販や無料配布のエンディングノートを手に入れてみたものの、イザ書き始めてみたら思うように内容を埋めることができず、面倒になって投げ出してしまったというのはエンディングノートあるあるじゃないでしょうか?

専用のエンディングノートはフーマットに沿って埋めてゆくだけなので何を書くか悩む必要がない反面、自由度が低く自分には必要がないと思うようなページもあって、それが負担になって挫折してしまうのだと思います。

そんなこともあって、前回の記事ではお勧めのエンディングノートとしてA4クリアブックを使った自作ノートを提案しましたので、今回は、自分に介護が必要になった際や死後に、家族の当惑や負担・不安を軽減するためという目的に絞って、なるべく負担にならず且つ周りの親族、知人の役に立つエンディングノートの内容を提案してみたいと思います。

エンディングノートに記載する項目

  1. 入院時に連絡してほしい人、連絡先
  2. 延命治療の要否
  3. 死亡時に連絡してほしい人、しなくてよい人
  4. スマホやPCのログインパスワード
  5. サブスクリプション等、会費が発生している先の内容
  6. 家人に内緒の預貯金や株などがある場合は、銀行・証券会社名と口座番号
  7. 家人に内緒の負債(借金)がある場合は、その内容
  8. 葬儀、埋葬についての希望
  9. 相続に関して特別な希望があれば、その内容

できれば一緒にファイリングしておきたい書類等

  • 遺影に使う写真
  • 家系図
  • 出生から現在までの戸籍謄本
  • 遺言書または遺産分割協議書の原案

各項目毎のポイントと注意点

入院時に連絡してほしい人、連絡先

仕事や所属している団体等で、自分が入院したことで迷惑をかけるような先があれば、項目を立てて記載しておきましょう。「知らせておいたほうが良いだろうな」程度の先まで考え出すとキリがなく面倒になってしまうので、「知らせておかないと迷惑をかけてしまう」という視点で直ぐに思い浮かぶ先だけで良いでしょう。

延命治療の要否

回復の見込みのない末期状態になったときに、生命維持治療を行って欲しいかどうかを記載するわけですが、「出来るだけの処置を行って延命して欲しい」という場合は、その旨を書いておけば良いのですが、延命治療を望まない場合は、「胃ろう、人工呼吸、人工透析はしないで欲しい…」等、できるだけ具体的に記載しておくことをお勧めします。

単に「延命治療は望まない」だけですと、医師から治療方針の説明を受けた遺族が判断しにくいということがあります。

死亡時に連絡してほしい人、しなくてよい人

案外大事なのが「しなくてよい(してほしくない)人」の記載です。エンディングノートの定番として「連絡先」というのはありますが、ハッキリ言って誰に連絡するかは遺された者の都合になりますし、遺族が必要だと思った連絡先については、特に明記しておかなくとも突き止めてくれるものです。

逆に、「この人には知らせないで欲しい」といった具体的な事情がある場合は、明確に伝えておかなければ遺族は知ることができません。

スマホやPCのログインパスワード

人によっては、「自分の死後スマホやPCの中は誰にも見られたくない」と考える場合もあるかと思いますが、これはちょっとリスクが高いです。「立つ鳥後を濁さず」という戒めの言葉もあるように、この際エンディングノートを書くことをキッカケに「見られたらヤバい、見られたくない」ようなデータは綺麗さっぱり削除してしまいましょう。

サブスクリプション等、会費が発生している先の内容

解約時の連絡先と共に、引き落としでの支払いがあれば引き落とし先の銀行名も記載しておきましょう。

家人に内緒の預貯金や株などがある場合は、銀行・証券会社名と口座番号

金額まで記載しておく必要はありません。どこに残高があるのかがわかるだけでかまわないと思います。

家人に内緒の負債(借金)がある場合は、その内容

「死んでしまえばチャラだろう」等と考えている人もいますが、あなたが死んでも何もしなければ借金はチャラにはなりません。遺族が手続きに沿ってチャラにすることもできるので、潔く正確な内容を残しておきましょう。

葬儀、埋葬についての希望

希望があればその内容を書いておけばよいのですが、特に希望が無い場合に「葬儀や墓はお前たちの好きなようにしてください」等と書くのであれば、何も書かない(項目をつくらない)ことをお勧めします。

「葬儀は故人のためにある…」という建前論はあるにしても、現実は遺族の諸事情により行われるわけですから、敢えて「好きなように…」などと書き残しておく必要もないと思います。

相続に関して特別な希望があれば、その内容

エンディングノートには法的拘束力はありませんが、「自宅は妻(夫)に残したい」とか「◯◯銀行の預金は孫の□□の学費に使ってほしい」等の”想い”があれば書いておくことで気持ちを伝えることができます。


以下は、できれば一緒にファイリングされていると遺族にとって助かる書類です。

遺影に使う写真

サイズはL版程度でかまわないので、遺影として使ってもよさそうな写真を1枚用意しておけば遺族も迷わずに済みます。今はデジタル技術も進歩しかなりの精度で加工してくれるので、背景などはあまり気にすることもないので確実にピントが合っていて鮮明な写真を選ぶのが良いと思います。

家系図

親類縁者の連絡先を表形式で記載するだけでなく、自分との関係(叔父だとか従兄弟だとか)がわかるような家系図があると葬儀の際や相続の手続き等での参考になります。

出生から現在までの戸籍謄本

不動産の名義変更や、預貯金の解約など相続手続きで必要になります。このような手続きが発生する場合は、あらかじめ取得しておいてくれれば前述の「家系図」と共に、遺族にとっては非常に助かります。

遺言書または遺産分割協議書の原案

ちょっとハードルが高くなりますが、戸籍謄本と同様に相続手続きには必須となるので、できれば用意しておきたいところです。

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