マンション管理士・管理業務主任者、W合格できました!

昨年の9月からスキマ時間を使ってコツコツすすめてきたマンション管理士と管理業務主任者の受験勉強ですが、なんとか無事に一発W合格することができました\(^o^)/

同試験の受験を考えている方にとって何かしらの参考になればと思い、私の受験結果と受験後の感想をまとめてみました。

また、資格取得後のこれからについても、現時点での思うところを書いています。

令和6年度の合格基準点と合格率

「マンション管理士」「管理業務主任者」どちらも、択一式50問の試験ですが◯◯点取れば合格といった絶対評価の試験と異なり、その年の受験者上位◯◯%が合格という相対評価の試験となりますので、合格するために必要な点数は都度変化します。

私が受験した令和6年度の合格基準点と合格率は以下の通りでした。

マンション管理士管理業務主任者
合格基準点37点38点
受験者数10,955名14,850名
合格者数1,389名3,159名
合格率12.7%21.3%

私の試験結果

どちらの試験も合否の結果だけで点数は公表されませんが、自己採点によるとマンショ管理士が37点管理業務主任者が42点ということで、管理業務主任者は少しだけ余裕がありましたがマンション管理士はギリギリで、合格基準点があと1点高かったら不合格という崖っぷち合格でした。

マンション管理士の合格率は10%前後で推移しており、今回の合格率12.7%というのは過去10年で最も高い合格率でしたので、「運」も味方してくれたようです。(運も実力の内です(^^;)

この程度の私が、これから同試験に挑戦しようという方の参考になることをお伝えできるか甚だ怪しいところではありますが、「そんな考え方もあるのね…」程度に読んでいただけたら幸いです。

試験の難易度に関する感想

試験内容はどちらも4肢択一で、記述問題や特定科目による足切りのようなこともないので、試験形式としては取り組みやすい部類と言えるでしょう。

マンション管理士と管理業務主任者を比べた場合、例年管理業務主任者の方が合格率が高い結果となっていますし、今回の試験において私自身の点数も管理業務主任者の方が高かったことから、試験の難易度としては「マンション管理士>管理業務主任者」ということは間違いないようですが、実際に試験を受けた印象として両者の難易度にそれほど差があったようには感じられませんでした。

合格率で試験の難易度を計られることがよくありますが、合格率とその試験の難易度に相関関係はほとんど無いと思っています。マンション管理士試験にしても合格率10%前後ということで「難関資格」の一つのように言われていますが、予備知識ゼロからでも市販のテキストによる独学で十分一発合格が狙える試験です。

といっても、単に過去問を繰り返すだけで合格できるほど簡単な試験でもなく、法的思考力や幅広い知識が要求されるので、中途半端な気持ちで挑んでも合格は難しいでしょう。

学習時間とモチベーション

学習時間について

学習時間については、各人の予備知識や経験によって異なるので、他人の学習時間や一般的論は全く参考になりません。

ネットなどで「◯ヶ月で合格する方法…」などというタイトルを見かけることもありますが、何らのエビデンスもない「独りよがり」か、あくまで頭に「私が、…」が付く方法であることに注意が必要です。

私の場合ですと、試験分野における「民法」「会計」はほとんど学習時間を要せず得点できるという前提で、学習期間は3ヶ月、時間にしておよそ200時間ほどでした。(時間に関しては、実際に測っていたわけではないので、「平均すれば1日2時間はやった気がする」という程度の感覚的なものです)※実際の学習経過は都度「X」でつぶやいていたので、興味ある方はこちら[X]もご覧になってみてください。

尚、民法に関しては条文数も多く判例も膨大ですが、マンション管理士、管理業務主任者で問われる論点はある程度決まっていますし、会計に関しても簿記3級の入り口である仕訳ができる程度でよいため、民法、会計に時間を要したとしても300時間程度あればギリギリ合格ラインは狙えると思います。

学習計画について

資格試験の対策として、計画的に学習時間を確保することが大切のように言われますが、どれほど綿密な学習計画を立てても、その通りできないのが(普通の?)人間ですから、「合格には◯◯時間必要だから1日◯◯時間学習しなければ…」などと教科書通りに計画を立ててもあまり意味はなく、それよりも「いかに合格へのモチベーションを維持するか」が大事になってきます!

マンション管理士、管理業務主任者の場合ですと3ヶ月、長くても6ヶ月程度が集中力を切らさずモチベーションを維持して学習できる期間のように思います。

一定レベルまでの資格試験において、攻略のカギは「短期決戦!全集中!」です。

実際に学習を始めると「仕事が忙しくて…」「家事や育児が大変で…」と、時間が足りない言い訳はいくらでも出てきますが、”モチベーション”さえ維持できれば学習時間は捻出できるものです。

モチベーションの維持のしかたは人それぞれですが、私の場合ですと今回の受験を勧めていただいた知人に「不合格でした」という報告をしたく無かったというのが原動力でした。

ノートやエクセルで綿密な学習計画を立てる暇があったら、「なぜ自分はこの資格に挑戦するのか」「合格したらどんな良いことがあるのか」「不合格だったらどんな気持ちになるのか」といったことを自問自答し紙に書き出してみる方がよほど効果があるでしょう。

「気合だぁ~!!」

精神論になってしまい、具体的な学習方法や計画の立て方についてのアドバイスは何ひとつありませんが、資格試験の学習方法は結局のところ、出題されるであろう問題を愚直に繰り返す(過去問の繰り返し)しかありません。人それぞれ繰り返す回数が少なくてすむ人(地頭の良い人)もいれば、ひとの何倍も繰り返さなければならない人(私のような人)もいます。

ひとの何倍も繰り返さなければならない人(私のような人)が、数回繰り返しただけですむ人(地頭の良い人)の学習方法をマネたり、地頭の良さを羨んだりしても結果は付いてきません。結局最後は「気合!」で乗り切るしかないんです。

とある予備校の講師がユーチューブで、「今回不合格であってもこれまで努力してきた自分を褒めてあげましょう」的なことを言われていますが、努力とは「目標を達成するために努める」ことです。

世の中努力をしたからといって報われるとは限りません。少し辛辣な言い方かもしれませんが「報われない限り努力とは言わず、報われるまでやり抜いたときはじめて努力したと言える」のです。

自己肯定することは大事ですが、資格試験のように合否がハッキリ分かれている目標の場合、「報われる(合格する)までやり抜くんだ」という強い意志を持って自分に鞭打つことが必要だと思うのです。そして、自分に鞭打つことができるかどうかは「気合!」次第なのかなと…。

使用教材

私が使用した市販のテキストと問題集は、以前の記事「資格試験の受験を終えました」にも書きましたが、TACの「マンション管理士速習テキスト」、LECの「出る順マンション管理士 分野別過去問集」、TACの「管理業務主任者 一問一答セレクト1000(※2022年版)」の3冊になります。

工夫といえる程のことでもありませんが、外出先でのスキマ時間を使っての学習が主だったため、テキスト、問題集共にカッターで持ち歩きやすい単位に切り離し製本テープで再編集しました。

その他の教材としては、マンション管理士、管理業務主任者共に試験団体のホームページで公開されいる過去の試験問題をダウンロードして使用しました。

テキストと問題集を別出版社にした理由

前述した通り、テキストはTAC、問題集はLECという具合に、異なる出版社(予備校)のものを使用しました。

資格試験の学習において最も重要なのが「過去問」ですが、これには試験範囲を分野別に再編した「分野別」と、本試験のまま時系列に並べた「年度別」があります。各人の好みもあるでしょうが、個人的には断然「分野別」をお勧めします。

記憶の定着には”繰り返し”しかありません。分野別にまとめられていれば必然的にその分野の同じような問題に連続して触れることになり記憶の定着に繋がると同時に、その分野における出題傾向も掴むことができます。本試験形式に慣れておくという意味では年度別での問題も解いておく必要がありますが、前述したように過去の本試験問題と解答は試験実施団体のホームページからダウンロードできるのでそれを使うことで補えます。

このような理由から過去問集はLECの「出る順マンション管理士 分野別過去問集」一択しかなく、テキストもLECのものを使用するのが王道のように思えますが、あえて問題集とは別出版社のテキストを使用しました。

テキストと問題集を同一出版社のもので揃えることには、問題集とテキストの横断がしやすい点が挙げられますが、章立てや順番が異なっているだけで扱っている分野(論点)は同じなので、目次や索引を利用すれば異なる出版社のものでも、両者の横断に困ることはありません。それより、出版社(著者)が異なることで、同じ論点でも視点や言い回しが違うので、異なる解説を読むことのメリットの方が大きいと考えました。

受験コスト

こちらに関しても詳細は前述の別記事「資格試験の受験を終えました」に記載しましたが、テキスト代に受験料及び受験会場までの交通費を含めトータル27,582円かかりました。

実費以外にも、学習時間をコストと考えて時給換算すると数十万円という見方もできますが、この点はいつか誰かの役に立つ場面に備えての自分への投資と考えることにします。(今のところ含み益ゼロ…というか全額含み損ですが(^^;)

「稲妻が輝く瞬間に市場に居ること」(チャールズ・エリス)が大切ですから…

私のざっくりとした学習経緯

学習は主に移動中の電車内や移動先の待ち時間を利用したスキマ時間を利用しました。学習を始めた9月の月初は朝5時起きでテキストを読んでみたりしましたが、三日坊主とはよく言ったもので正真正銘3日間で挫折しました。また、テキストと問題集を持って図書館や公民館での学習も何度か試してみましたが、根本的に長時間集中力を保つことができない体質?のため、30分やっては1時間ダラダラするといった具合であまり効率的な学習ができたという実感はありませんでした。

人にもよると思いますが、15分~30分程度のスキマ時間をうまく見つけて細切れで勉強したほうが、結果的に多くの学習時間を確保できたように思います。

先ずは全体像を掴む

学習を開始したのが9月1日で、先ずは基本テキストを1週間程度で最後まで流し読みしました。全体像を把握する程度の意識で、理解や暗記といったことは一切考えず、とにかく早く”最後まで読み切る”ということを優先しました。(このテキスト読みは睡魔との戦いで一番キツかった)

テキストを一応最後まで読んだ後は、やはり1週間程で過去問を最後まで流し読みしました。過去問と言ってもこの段階では問題を解くというのではなく、問題文を読んだら直ぐに解説も読んでしまうという方法で、テキストと同様にとにかく”最後まで読み切る”ことを優先しました。

肢別で、ひたすら過去問を繰り返す

テキストと過去問に一通り目を通したことで試験範囲と出題傾向がおおよそ掴めたので、その後は過去問を解いて、わからないところはテキストに戻ったりネットで検索したりして理解を深めるという作業を最終的には5周繰り返しました。

ちなみに、過去問は問題単位で「解く(正当の番号を選ぶ)」ということはせず、各問の肢毎に◯なのか✕なのか、✕であればそれはなぜなのかを自分の言葉で説明できるようになることを目標に取り組みました。

ここで一点注意すべきことは、一つの問題にある四つの肢の中には「超難問」という肢が入っていることがあります。正答となる肢を確実に選別できれば、問題としては正解できるケースで、いわゆる「ひっかけ」や回答者を惑わすために入れらている”いじわる肢”なので、こうした”いじわる肢”に深入りしないよう注意する必要があります。

”いじわる肢”というのは、問題集やテキストでも解説されていないような論点の肢で、はじめは見分けがつきにくいかもしれませんが、過去問を何度か繰り返すと自然とわかるようになります。こうした”いじわる肢”や、めったに問われないような難問には深入りせず、基本的な論点を落とさないという視点で取り組むことが大切です。

無理やり暗記も「あり」

その人によって苦手とする分野は異なってくると思いますが、私の場合建築設備関係が苦手で、これまで全く経験のない分野でイメージができないため、暗記するのにも大変苦労しました。見たこともないような建築設備の仕様や特徴を暗記しようとしても、何の意味もなくランダムに表示された数十桁の数字を暗記しろと言われているようなものです。

そんな場合は、最終手段ということで自分だけに通用する語呂合わせを無理矢理つくって暗記しました。具体的にいくつか紹介したいところですが、大半が下ネタであまりにひどい語呂合わせなうえ、文言としても公序良俗に反するような内容なので控えさせていただきます。(人には言えないくらいインパクトのある語呂合わせのほうが記憶に定着しやすいです(^^;)

正攻法としては、ネットで検索して現物や使われている場所の写真などを見ることで多少イメージが湧いて暗記しやすくなったケースもありました。

本試験形式にも慣れておく

11月に入り、試験実施団体のホームページから6年分の過去問をダウンロードし、年度別に本試験形式(4脚1択方式)で解きました。

この時点での正答率は以下の通りでした。

弱点克服のラストスパート

11月の中旬(試験1周間前くらい)から、過去問集の中で理解や記憶が今ひとつと思われる肢に付箋を貼り、付箋が貼られた肢だけをひたすら繰り返して解くということを実施しました。

管理業務主任者試験対策

管理業務主任者の試験対策としては、マンション管理士の試験がが終わった当日の夜から管理業務主任者試験前日までの1週間で、集中的に取り組みました。

具体的には、

TACの「マンション管理士速習テキスト」の読者特典として、管理業務主任者試験対策用の論点がダウンロードできるサービスが付いていたので、これをダウンロードして一読しました。

追加された論点は以下の7項目です。

  1. 消費者契約法
  2. 個人情報保護法
  3. 賃貸住宅管理業法
  4. 標準管理委託契約書
  5. アフターサービス
  6. 地震保険等
  7. マンション係る統計等

その後、前述したTACの「管理業務主任者 一問一答セレクト1000」を2周し、試験実施団体のホームページからダウンロードした前年度の試験問題を1度解きました。

この程度の学習でも、蓋を開けてみればマンション管理士よりも高得点で終えることができたので、W受験する場合でも別途管理業務主任者用のテキストを用意する必要はないと思いますが、マンション管理士と管理業務主任者の試験では同じ論点の問題でも微妙に問われ方が異なるので、過去問には必ず目を通しておいたほうが良いです。

次ページ[2]では、この資格を「今後どう活かして行けるか?」について、思うところを書いてみました