クロームブックのオフライン環境をAndroidアプリで補強する

クロームブックはオフラインでは使えない!…?

一部誤解されている方もいるようですが、クロームブックはネット環境がない(オフライン)状態でも、ドキュメント、スプレッドシート、スライドといったオフィス系ファイルの編集は勿論、新規作成や保存といった一通りの作業は可能です。また、PDFやエクセル、ワード、パワポといったMicrosoft Officeのファイルを扱うことも出来ます。

また、驚いたことに、「そもそもクロームブックってオンライン上でGoogleアカウントにログインしないと、電源を入れただけじゃ使い始められない」と思っている人がいることでした。そのような誤解を持っていたら「…使えない!」と考えてしまっても無理はありませんが、全くそんなことはなくオフラインでも普通にGoogleアカウントのパスワードまたは自分で設定したPINコードを入れれば使い始めることができます。

当然オフライン状態ではメールの即時送受信やウェブサイトでの調べ物などはできませんが、これは「Windows でもMAC(持ってませんが)でも出来ない」ことに変わりはないでしょう。尚、メールに関してはオフライン状態でも過去のメール(期間を7日から90日の間で指定可)を保存しておくことが可能で、返信用の文書を作成することも新規メールを作成することもできます。作成したメールは送信待ちの状態となり、次回オンラインになった時点で送信されます。

実際、オフラインで何してます?

専用のアプリケーションソフトで専門的な作業を行うといった特別な場合を除いて、オフライン環境で行う作業としては結局のところ文書作成と資料の閲覧程度というのが実情ではないでしょうか?そう考えると「クロームブックはオフラインでは使い物にならない」ということはなく、一部の専門的な作業を除いてWindowsでもMACでもクロームブック(Chrome OS)でも、できることは一緒なんだと思います。

もちろん、WindowsまたはMACでしか動作しないソフトウェアを使った作業がメインということであれば「使いものにならない」ということになりますが、そのように専門特化した必要性って「実はそう多くないんじゃないか?」というのが私の個人的な見解です。

Androidアプリでクロームブックを電子辞書化

オフライン環境では絶対にできないことの一つとしてウェブ検索があります。そこでこの点を少しでも改善すべくオフラインの環境下でも使用できる辞書機能を追加することにしました。

Google検索に比べ、調べることができる内容は限定的ですが、考え方によっては横道にそれて時間を無駄にすることもなくかえって良いのかもしれません。

使用したアプリは『EBPocket』という辞書ビューアで、画面サイズも自由に変更できるので、画面分割して文書作成画面の横に配置して調べられるのが便利。検索結果をコピペすることも可能です。

上のキャプチャ画面は、Googleドキュメント上の文字「愛」をEBPocketで串刺し検索した結果。
上から順に「国語辞書」「和英辞書」「漢和辞書」「広辞苑」の検索結果が表示される。
これは完全一致での検索結果だが、前方・後方・部分一致といった検索方法も選べる。

電子辞書化のメインはこの『EBPocket』になりますが、Androidアプリが思った以上に「使える!」という印象を持ったので、その他にもいくつかのアプリを導入しました。

今回導入したAndroidアプリは以下の6つになります。

  1. EBPocket
  2. 常用漢字筆順辞典
  3. 法令ハンドブック
  4. 手帳のあれっ
  5. Kindle
  6. ファイルマネージャー

EBPocket

EPWING規格の電子辞書ビューアです。

複数辞書の串刺し検索ができたり画像や音声などのマルチメディアデータにも対応しているので百科事典系の辞書もフル機能で使えます。

ただし、このアプリは辞書データを自分で用意する必要があり、既存の電子ブック等のデータをそのまま使うのであればまだ楽ですが、独自の辞書データを作成したりする場合、それなりの知識と手間が必要になってきて敷居が高いのが難点かもしれません。

今現在、辞書データとして学習研究社の「国語辞書・英和辞書・和英辞書・漢和辞書」、広辞苑、日本語活用辞典、マイペディア、現代用語の基礎知識、ウィキペディア日本語版を入れて活用しています。

どの辞書もかなり古い版ですし、ウィキペディア日本語版に関しては、かなりサイズダウンさせたものなので、オンラインでの検索結果には及びませんが、そもそもそれほど高尚な語句を調べることはないので私にはこの環境で十分です。

常用漢字筆順辞典

手書きで書き順、よみが検索できる辞典アプリです。

PCでの文書作成に筆順は必要ないのですが、読みがわからない漢字も画面に手書きして調べることができるので、主に漢字辞典として使っています。また、お客様の面前でお名前を書くことが結構あるので、面談の前にはお客様の名前の正しい筆順を確認したりもしています。(私だけかもしれませんが、こういのって案外気になったりするんですよね、因みに私の名前の「飛」という漢字は、結構デタラメな書き順の人が多いです(^^;)

法令ハンドブック

法務省が運営する「eGov法令検索」のデータを取り込み、オフライン状態で閲覧するアプリです。

あらかじめ必要な法令をダウロードしておく必要がありますが、しおりやマーカー機能の他、条番号での移動などが楽に行えるので、テキスト形式でダウンロードしたファイルより効率的に必要な条文を読むことができます。

職業柄法律の条文を確認する頻度が多く、お客様に説明する際にも資料としてお見せする機会もあるので、必要な法令を選んでダウンロードしています。

手帳のあれっ

今では少なくなりましたが、昔の綴じ手帳の巻末にあるような資料集を集めたアプリです。

正直利用頻度としてはあまり高くないと思われるのですが、雑学的な情報も含め必要な場面があるかもしれないといった情報が盛り沢山なので「もしも…」的な意味合いで入れてみました。私の場合ですと、年齢早見表と郵便料金が便利そうです。

Kindle

言わずとしれた電子書籍リーダーですね。

辞書とはちょっと異なりますが、仕事に関係する書籍を何冊かダウンロードしていつでも参照できるようにしています。

ファイルマネージャー

ファイル管理アプリです。

これは完全に辞書アプリとは関係ないのですが、Androidはアプリ内にデータを置く仕様になっていて、アプリ上で一部のデータを削除しても元データは削除されないことがあり、クロームブックの標準ファイルアプリではこのデータにアクセスできないため入れています。

今はEBPocket用の独自辞書データを作成中で、追加、削除を頻繁に行っているので入れていますが、これが固まってきたら不要になるのでアンインストールしてもよいかもしれません。

大量データは外付けSSDで持ち歩く

基本的に、データはクラウド上に保管するというのが思想?のようで、クロームブックはストレージ容量が少ないものが多いので、大容量・大量のファイルをローカルストレージに置いておけないという問題があります。

私の個人的な環境では、それほど問題ではなく32GBのLenovo 300eでも全く不足を感じることはないのですが、大量の動画データをローカルストレージに保存しておき、オフライン状態でも視聴したい等といった人はストレージ容量の問題で「クロームブックは使えない」という結論に至るかもしれませんが、今ではSSDも比較的安価でケーブルレスの小型なものがあるので、それを利用することでカバーできるような気がします。

個人的には、「必要なファイルをローカルに置かない」という運用こそがモバイル端末活用の肝だと思っているので、64GBで十分ですが…